インタビュー

食を応援する 県内産を選んで食べて応援を
埼玉県農林総合研究センター畜産研究所所長
鴻巣 泰さん

[2013/10]


 埼玉県は都市化が進んで人口が増加している。こうした中で、ふん尿処理などの環境面の問題などから規模拡大により経営の安定化を図るには課題が多い。さらに、生産者の高齢化や後継者不足などの課題も抱えている。

 しかし、埼玉の畜産は元気だ。意外かもしれないが、平成23年の畜産算出額の国内順位は、乳用牛が20位、肉用牛が34位、豚が21位、鶏卵が25位と概ね中位にある。

 埼玉は人口約720万人の大消費地であり、生産者と消費者が近い。この特性を生かして畜産振興を図ろうと、畜産研究所は「県民の豊かな食と生活を実現する」研究開発と技術支援を進めている。

 例えば、酪農・肉牛担当は雌雄を選別する精液利用技術の確立や、地場産食品の残さ物を飼料化する試験などに取り組んでいる。養鶏・養豚担当は低曝気(ばっき)による畜舎汚水処理水を利用し、臭気発生を抑制した「堆肥の製造方法」で特許を取得したほか、少量凍結精液による人工授精技術を開発して国内で初めて子豚の分娩に成功。英国から導入した黒豚の増殖に応用している。

 また、鶏部門ではブロイラー肉とはひと味違う高品質肉用鶏「タマシャモ」を作り出し、種の維持とヒナの配布を行っている。

 さて、埼玉の畜産物にどんなイメージを持っているだろうか。どれも生産者が丹精込めて育てたもので、安心で安全なうえに美味しい。最近では「県内産」を表示する店舗も増えている。ぜひ、県内産を選んで食べて埼玉の畜産を応援してほしい。

 畜産フェアには、埼玉の畜産が勢揃いする。ぜひ足を運んで味わってもらいたい。