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給食に県産食材の活用進む

[2013/04]



給食は体育、図工に並ぶ子どもたちの大好きな時間。献立表を参考に夕食を考えるという保護者もいる

 

給食の展示・試食会には多彩な食材が並んだ。

工夫を重ね地産地消の最先端

 生産者の顔が見える安心・安全の取り組み、地産地消と食文化への理解促進、学校現場では給食の時間は単なる食事にとどまらず、教育的意義も担う。給食関係者は限られた予算の中で工夫を凝らす。給食の献立表には地場産品を積極的に取り入れる動きが見てとれる。食材の開発や新メニューに県産品を利用するなど、給食は地産地消の最前線だ。

地産地消の最前線 食材活用の幅広がる

 県内の小中学校の給食で、県産食材を取り入れる動きが進んでいる。今月開かれた県学校給食会の食材展示説明会には主食やおかず、デザートなど約500種類が並び、その多くに県内産の農畜産物が使われていた。

 県学校給食会が供給する食材は約1500種。給食1食の食材費は小学校で230〜240円、中学校が260〜270円が一般的という。給食関係者は限られた予算の中で美味しさと安心・安全、地産地消に工夫を凝らす。

 展示会には、それまで使っていた豚肉を高級食材の「彩の国黒豚」に切り換え、味にこだわった商品が登場。「以前に増してジューシーになって旨味が深くなった」と好評で、関係者は確かな手応えを感じていた。

 県産食材を組み合わせて開発した商品も少なくない。調理素材として開発したしゃくし菜漬けを利用した「しゃくし菜まん」は、中華まんに似た食感で子どもたちに人気だ。地産地消は食材の組み合わせによって幅を広げる。

 主食は米飯が週平均で3・1回、埼玉は小麦の生産が盛んなことから、県産粉を使ったパンや麺もバランスよく提供されているのが特長だ。調理設備の充実で、揚げる、煮る、焼く、蒸すなど多彩な調理方法が可能になり、おかずも多様化しているという。

県内産から市内産へ 親子で食考える機会に

 北本市立西中学校は今年4月から自校給食が始まった。同校栄養主任の渡邊由美さんは、初日の献立に揚げパンを選んだ。センター方式ではできない献立の一つだったからだ。

「生徒や保護者だけでなく、教職員からの期待も大きい。自校給食だからこそできることを一つひとつ実現したい」

 生徒と保護者を対象にしたアンケートでは「出来立ての味」に対する評価が最も高かった。実際に食べ残しも減っていて、手応えを感じている。

 地産地消は大切な視点の一つで、これまでも県内産の食材を利用してきた。さらに市内産に一層こだわりたい。北本名産のトマトはこれからが季節。トマトスープや話題のB級グルメ「トマトカレー」なども献立に取り入れたいと考えている。

 生徒会活動や家庭科の授業と給食をつなげる試みにも前向きに取り組もうとしている。生徒からの独自のメニューやアイデア提案など、新たな動きも出始めていると感じている。

「生徒のアイデアを献立に生かせたら、食への関心が高まり、食育の意味からも有意義な給食になる。まだまだ手探りだが、いろいろ工夫して教育的価値を高めたい」

 新しい調理施設は見学できるよう設計されている。試食会や見学会など、保護者への働きかけにも積極的に取り組みたい。

「給食への関心が高まっているこの機会に、親子で食について考えてもらえたら」と思いは広がっている。